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よくある質問(FAQ)

 

賭博罪とは?

賭博罪に関する質問も多いので、基本的な内容をまとめておきます。

 

著者 弁護士石井琢磨

 弁護士石井琢磨
 更新:2023.6.9

 

賭博罪の検挙件数

賭博罪はそれほど検挙数が多い犯罪というわけではなく、検挙される人が少ない部類の犯罪です。

警察庁の統計によると、平成31年では関連事件が167件あり、検挙されたのは255件でした。検挙された人数は約450人というデータがあります。平成30年は602人でしたので、減少傾向にあることがわかります。

賭博罪の検挙人員は他の犯罪と比べると少なく、例えば殺人罪では約900人、詐欺罪では約9000人、窃盗罪では約9万人というデータもあります。賭博罪の検挙件数はそれほど多くなく、知らない人もいるかもしれません。ギャンブルをやってしまうと罪になることがありますが、賭博罪は他の犯罪に比べて取り締まりがゆるい傾向にあります。

 

賭博罪の法定刑

賭博罪については刑法の条文によって定められており、単純賭博罪は刑法185条に規定されています。

単純賭博罪の場合、罰金が50万円以下または科料となります。

より重い罪として常習の賭博罪が刑法186条1項で定められており、この場合は懲役刑が3年以下となります。さらに賭博場を開いたり、関与したりする場合は、賭博場開帳罪として、3月以上5年以下の懲役と、より重い罪に問われることがあります。

実際に取り締まられるのは、単純賭博罪が最も多く、常習賭博罪や賭博場開帳はより少ないです。

賭博罪

 

賭博行為とは

単純賭博罪の要件について詳しく見ていきますと、賭博行為をしたことが重要です。賭博行為とは、偶然によるものであり、財物をかけて争うものであるとされています。

具体的には、ボクシングの勝敗を予想して金を賭けることや、金を掛けて麻雀をすることが該当します。賭博行為は、本人の動作と関係ない事情に賭ける「賭事」(野球賭博やサッカー賭博など)と、本人(代理人を含む)の動作の結果によって勝敗を決める「博戯」(賭け麻雀や賭けゴルフなど)に分けられます。

改正前の刑法では、このような分け方がされていました。

 

賭博と偶然性

偶然性がないと賭博にはならないとされていますが、多少でも偶然性がある場合は賭博罪が成立することがあります。

基本的に勝敗の結果が偶然で決まることが必要ですが、賭け麻雀のように本人の技量に影響を受けるものでも構いません。将棋・囲碁の結果なども偶然性の要件を満たします。

また、賭けをする当事者によって偶然であれば足り、客観的に偶然であることは必要ないとするのが判例です。したがって、既に確定しているはずの過去の事実についても、当事者が知らない事実であれば、賭博に該当します。

イカサマの問題

イカサマのような詐欺賭博の場合も、賭博に該当するかどうかについては、争いがあります。

イカサマの場合、客観的にみると偶然性はありません。そして、加害当事者にとっても偶然性はありません。しかし、被害者は、賭博だと考えており偶然性があると思いこんでいます。

判例通説は、賭博は、当事者双方にとって偶然であることが必要とし、賭博罪は成立しないと考えます。もちろん、イカサマをしてだました者は、詐欺罪が成立します。

 

例外としての一時の娯楽

刑法185条ただし書きにおいて、「一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは」賭博罪が成立しないことが規定されています。

一時の娯楽に供する物とは、例えば、生ビール1杯を賭ける場合のように、関係者が即時に娯楽のために費消するもののことを指すものと解されています。

金銭は一時の娯楽に供する物には性質上該当しないとされていますが、飲食物を賭けて対価を支払わせた場合には賭博罪の成立を否定する判例も存在します。

賭博罪の適用範囲は具体的に明示されていないため、価格や即時性など、いくつかの要素が考慮されます。

賭博における財物は必ずしもお金に限らず、権利や利益なども含まれます。ただし、無料の娯楽や一時的なものには賭博罪が成立しないとされています。

 

賭博の常習性

常習賭博罪の成立には常習性が関係しており、前科の有無や犯罪の頻度が考慮されます。

暴力団関係や賭博場の開設者など、特定の背景を持つ場合には常習性が認められやすくなります。

また、裁判例においては、数回の行為や頻繁な賭博の回数が常習性の判断材料とされることもあります。判例や状況によって異なる要素が考慮されるため、具体的なケースによって賭博罪の成立が判断されます。

前科も判断要素の一つにはなりますが、前科があるから必ず常習と認定されるわけでもありません。

前科がある場合には、前科からの時間の経過や類似性が判断要素となるでしょう。

 

どうして賭博は罪に?

何のために設けられたのか、つまり保護法益は何であるかについて、学説上の争いがあります。一つの考え方として、他人の射幸心につけこんでその人に財産上の損害を与える行為を処罰するためであり、保護法益はそのような損害を受けた個人の財産とする考え方があります。

しかし、この考え方に対しては、それでは賭博罪で単に賭博へ参加する行為を処罰していることを根拠づけることができないとの批判がされます。

そこで、通説は、個人の財産を保護法益とするのではなく、賭博行為が国民の健全な経済的生活の風習・美風を害する(国民を堕落させる)ことを防ぐためと解します。判例は、これに加え、賭博はこれに付随して窃盗、強盗等の犯罪を誘発することを防ぐことも根拠とします。

賭博罪は社会的な経済活動や労働意欲を損なう行為とされており、過去に憲法違反の問題が争われたこともありますが、賭博罪の取り締まりは正当であると判断されています。

 

 


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